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大麻グミは「進んで人体実験に参加するようなもの」 衝撃の日大アメフト部員逮捕に始まり…

[ 2023年12月20日 05:05 ]

会見を行う林真理子・日本大学理事長 (撮影・西川祐介)
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 【激動2023】2023年は大学生、高校生の大麻事件が連日のように報道された。日大アメリカンフットボール部員の逮捕は社会に大きな衝撃を与え、お菓子のような響きの“大麻グミ”の存在もクローズアップされた。一年のニュースを振り返る恒例企画「激動2023」の「政治社会」編。第1回は、改めて浮き彫りになった若者の大麻汚染について探る。(特別取材班)

 8月初旬、日大アメフト部員の大麻への関与が浮上した。警視庁が同3日に部の寮を家宅捜索し、5日に大麻と覚醒剤を所持したとして3年生部員を逮捕。部内で大麻汚染が広がっていたとされ、これまでに部員4人が立件。林真理子理事長ら上層部の対立も相まって、日大を揺るがす大スキャンダルに発展した。

 11月に入ると、大麻の有害成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」に似せて作られた合成化合物を含む大麻グミを食べた人が、体調を崩して救急搬送される事案が多発していることが判明。厚生労働省は医薬品医療機器法に基づき、グミから検出された成分「HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)」の規制に踏み切った。

 規制初日の今月2日、大麻由来成分を含む商品を扱う都内の店には、HHCHの代わりに「HHCP(ヘキサヒドロカンナビフォロール)」とパッケージに記載された大麻グミが並んだ。店員は「(HHCHと)ほとんど構造は変わらない」と成分について説明した。

 規制してもすぐに類似の成分が出回る“イタチごっこ”の状態。厚労省はHHCHに類似した構造をまとめて禁止する「包括指定」を年明けにも実施する方針だ。既に麻薬取締部は一部店舗への立ち入り検査で類似成分を含む製品を回収。分析結果が出るまで販売停止命令を出した。

 厚労省のデータによると、大麻の検挙人員は2013年から増加傾向で、21年には5783人で過去最多を記録した。昨年は5546人と微減したが、20歳未満の検挙人数は13年から15倍に増えている。

 なぜ若者は大麻に手を出すのか。使用歴がある20代男性は「興味という面が強く、違法と分かっていたが試したくなった」と語る。男性が初めて使ったのは大学2年。友人らとの酒席で大麻の話になり後日、一緒に購入。使ってみると「五感が研ぎ澄まされ、白米を食べただけで自然と涙を流していた」といい「言われているほど悪くないのではと思った」という。約1年で3回ほど使用。就職活動を機にやめたが、大麻に溺れ警察に逮捕された友人もいたという。

 大麻が若者の間で広まっていることに、法科学研究センターの雨宮正欣(まさよし)所長は「SNSなどで大麻のポジティブな部分を切り取った情報が発信され、心理的ハードルが下がっている」と指摘。カナダや米の複数の州などで嗜好用大麻が解禁されていることなどから、大麻が安全であるとうたうSNSなどの言説について「合法化した国はあまりにも大麻が広がってしまい取り締まりきれないため、一定のルールを設けて国が管理することで未成年者の使用などを防止している。決して安全だから解禁したわけではない」と否定した。

 大麻グミについては「(幻覚作用などの)効果があるかどうかは別として、類似成分の組み合わせほぼ無限にある。包括指定しても全てをつぶすことは難しい」との見解を示した。その上で「“規制されてない=安全”というのは大きな間違い。THCよりも数十倍効果が強い成分もあると言われ、大麻グミに手を出すことは自ら進んで人体実験に参加するようなものだ」と警鐘を鳴らした。

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